へ! ところが、はたしてそうでないってことがわかったよ。あの人はひどく僕の気に入ってたんだよ。さっき僕が演説めいたことをしゃべったときでも、やっぱり気に入ってたんだよ。そして実はね、今でもひどく気に入ってるんだ。けれど、あの人のそばを離れて行くのが、とてもせいせいするんだよ。おまえは僕が駄法螺《だぼら》を吹いてるんだとでも思うかえ?」
「ううん、でも、ことによったらそれは恋ではなかったのかもしれませんよ」
「アリョーシャ」と、イワンは笑いだした、「恋の講釈なんかよせよ! おまえには少し変だよ。さっきも、さっきもさ、飛び出して口を入れたね、恐れ入るよ! あ、忘れてた……あのお礼におまえを接吻しようと思ってたんだ……。だが、あの人はずいぶん僕を苦しめた! 本当に羽目のそばに坐ったようなもんだ。おお、僕があの人を愛してるってことは、あの人も自分で承知しているのさ! そして自分でも僕を愛していたので、けっしてドミトリイを愛してたのじゃない」と、イワンは愉快そうに言い張るのであった。「ドミトリイは羽目さ。僕がさっきあの人に言ったことは、みんな間違いのない真理なんだ。しかし、ただ何より大事なことは
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