ですよ。どちらもしようのない極道どもですよ。ただ外国《あちら》のやつはエナメルの靴をはいてるのに、ロシアの極道は乞食くさい臭いをぷんぷんさせていながら、自分ではそれを少しも悪いと思わないところが違うだけです。ロシアの人間は、ぶんなぐらなければだめだ、昨日フョードル・パーヴロヴィッチの言われたとおりですよ。もっともあの人も、三人の息子たちといっしょに気がふれていますがね」
「だって、あなたはイワン・フョードロヴィッチを尊敬するっておっしゃったじゃありませんか?」
「しかし、あの人も僕をけがらわしい下男のように扱うのです。僕を謀叛《むほん》でも起こしかねない人間だと思っていますがね、そこはあの人の思い違いですよ。僕はふところに相当の金さえあれば、とうにこんなところにいはしないんです。ドミトリイ・フョードロヴィッチなんか、身持ちからいっても、知恵からいっても、貧的なことからいっても、どこの下男よりも劣った人間で、何一つできもしないくせに、みんなから崇《あが》められている。僕なんかは、よしんばただの料理人にしろ、うまくゆきさえすればモスクワのペトロフカあたりで、立派な珈琲《カフェー》兼|料理店
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