わずに、じっと隠れたまま、晩までも四阿《あずまや》で待っていることだ。兄が以前どおりグルーシェンカのやって来るのを見張っているとすれば、いずれあの四阿に姿を現わすということは大いにありうべきことだ……』とはいうものの、アリョーシャはそれほど詳しく自分の計画を何かと考えることもなく、たとい今日じゅうに修道院には帰れなくても構わぬから、さっそく実行にとりかかるうと決心したのである……。
 すべては何の故障もなく好都合にいった。彼は昨日とほとんど同じ場所の垣根を越して、こっそり四阿までたどりついた。彼が誰の眼にも触れたくないと思ったのは、家主の老婆にしろ、フォマにしろ(もしもこの男が居合わせたなら)、あるいは兄の味方をして、その言いつけを聞くかもしれない、そうすれば自分を庭へ入れてくれないか、でなければ、兄を捜して尋ね回っていることをすぐに兄に知らされるというおそれがあるからであった。四阿には誰もいなかった。アリョーシャは昨日と同じ席に腰をおろして待ちにかかった。あらためて四阿を見回したが、なぜかしら昨日よりはずっと古ぼけたものに見える。おそろしくぼろ家のように思われた。もっとも、天気は昨日
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