この土を見すてようとしているのです。僕がどんなにこの人と精神的に結びついているか、それがあなたにわかってくださったらなあ! あなたにわかってくださったらなあ! しかも、僕は今、たった一人でとり残されようとしているのです……僕はあなたのところへ来ますとも、リーズさん。これからさきいっしょにいることにしようね……」
「ええ、いっしょにね、いっしょにね! これから一生涯いつもいっしょにいましょうね。ちょっと、わたしを接吻してくださらない、わたし許すわ」
 アリョーシャは彼女を接吻した。
「さあ、もういらっしゃい、では、御機嫌よう!(彼女は十字を切った)。早く生きていられるうちにあのかた[#「あのかた」に傍点]のところに行っておあげなさい。わたしすっかりあなたを引き止めてしまったわね。今わたし、あの人とあなたのためにお祈りすることにするわ。アリョーシャ、わたしたちは幸福でいましょうね? ね、幸福になれますわね?」
「なれますとも、リーズさん」
 リーズの部屋を出たアリョーシャは、母夫人のところへ寄らないほうがよいと思ったので、夫人には別れの挨拶をしないで家を出ようとした。だが、戸をあけて階段の
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