―ことによったら、秘密な悲しみかもしれないわ、ね?」
「そうです、リーズさん、秘密な悲しみです」アリョーシャは沈んだ調子で言った。「それに気がつかれたところを見ると、あなたはやはり僕を愛していてくださるんですね」
「いったいどんな悲しみなの? 何か心配してるの? 話してもよくって?」とリーズは物おじるような哀願の調子でこう言った。
「それはあとで言います、リーズさん、あとで、……」とアリョーシャは困った。「それはまだ今は、はっきりしてないんです。僕自身もうまく話せないような気がするのです」
「わたしわかったわ、きっと、まだそのほかに、兄さんや、お父さんがあなたを苦しめなさるんでしょう?」
「ええ、兄さんたちもね」とアリョーシャは憂わしそうにこう言った。
「わたしあなたの兄さんのイワン・フョードロヴィッチが嫌いなの」と不意にリーズは言った。
 アリョーシャは少し驚いた様子でこのことばに注意した。けれど、なんの意味だかはわからなかったのである。
「兄さんたちは自分で自分を滅ぼしてるんですよ」彼はことばをついだ。「お父さんだってそうなのさ。そうしてほかの人までも、自分といっしょに巻き添えにし
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