き上げました。……それで、あの子はいきなりわたしに飛びかかって、小さな両手でわたくしの首筋に抱きついて、じっとしめつけるのでした。御承知でしょうが、無口でいても、気位の高い子供は、いつまでも肚《はら》の中で涙を押えているものですが、非常な悲しみに襲われてやりきれなくなると、もうそのときは涙が流れるのでなくって、まるで小川がほとばしるようでございますよ。その暖かい涙がほとばしって、わたしの顔は、たちまちずぶぬれになってしまいました。あの子はまるで引きつけたように、しゃくりあげて泣きながら、身震いをして、一生懸命にわたくしを抱きしめるじゃありませんか。わたくしはじっと石の上に坐っておりました。『父ちゃん』とあの子がわめくのでございます。『父ちゃん、あいつは父ちゃんになんて恥をかかしたんだろうね!』そこでわたくしももらい泣きをしましたんですよ。二人は石の上に坐って、抱き合ったまま震えておりました。『父ちゃん、父ちゃん!』とあれが言えば、わたしも、『イリューシャ、イリューシャ』と申します。そのとき誰も二人を見た者はございません。ただ神様だけは御覧くだすって、出勤簿につけてくだすったろうと存じま
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