したら、わたしがわきから手をまわして、あの人がおまえをなぐったのは、おまえのいんちき[#「いんちき」に傍点]のせいだと、みんなに吹聴《ふいちょう》してやる。そしたら、おまえがあべこべに、裁判所へ引っぱられるんだよ』って。しかし、このいんちきがたれの手から出たことか、そしてたれのいいつけでわたくしが卑怯《ひきょう》なまねをしたのか、神様ばかりはようく御承知でございますよ。つまり、あのかた御自身と、フョードル様のさし金じゃございませんか? それから付けたりにおっしゃるには、『おまけに、わたしが一生おまえを追っ払ったら、わたしのところでは鐚一文《びたいちもん》だってとれないんだよ、うちの商人にもそういっておいたから(あのかたはサムソノフ老人のことを『うちの商人』と申されますので)、あれもおまえを寄せつけないはずだ』。そこで、わたしも考えました。もしも、あの老人がわたくしを寄せつけなかったら、たれからもらえるのか? と。なにせ、わたくしにもうけさしてくれるのは、あのお二人きりでございますからね。あなたのお父さんはある別な事情のために、わたくしを信用してくださらないようになったばかりでなく、わた
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