悪いのは、お兄さんがわたしを殺してしまわないで、かたわ者にするくらいで許してくださったときでございます。働くわけにはまいりませんが、それでも口だけはやはり残っています。いったい、そのときに、誰がこの口を養ってくれるでしょう? それとも、イリューシャを学校から下げて、毎日乞食しに歩かそうとおっしゃるんでございましょうか? お兄さんに決闘を申しこむということは、わたくしにとって、これだけの意味があるのです。こんなばかばかしいことを言っても、もうしかたはございませんがね」
「兄さんはあなたにおわびしますよ。広場のまん中であなたの足もとにひざまずくでしょう」アリョーシャは眼を輝かせながら、またもや叫んだ。
「またあの人を裁判所へ訴えようかとも思いました」と二等大尉は続けた、「ところが、わが国の法典をひろげて御覧なさいまし、わたくし個人の受けた侮辱に対して、相手の者からたいした賠償もとれないんじゃございませんか? それに、そこへもってきて、アグラフェーナ(グルーシェンカ)様が、わたしを呼びつけて、いきなりどなり散らすじゃありませんか、『大それたことを考えるもんじゃないよ! もしもあの人を訴えでも
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