ろいろ段取りを決めていましたの。わたしがここを立たないのも、たぶん、これがためかもしれませんよ……」
「でも、あの人はまた侮辱を受けて、泣いていたじゃありませんか!」とアリョーシャが叫んだ。
「女の涙なんか当てになるものじゃありませんよ。こういう場合には、わたし女に反対します、わたしは男の味方ですわ」
「母さん、母さんはそのおかたを悪くして、堕落さしてしまってよ」戸のかげからリーズの細い声が聞こえた。
「いいえ、これというのもみんな僕がもとなんです、僕は実に悪いことをしました!」自分の行為に対する激しい羞恥《しゅうち》の念がこみあげてきて、アリョーシャは両手で顔まで隠しながら、なんと言われても気が安まらないで、くり返すのであった。
「それどころじゃありません、あなたはまるで天使のような振舞いをなすったのです、全く天使ですよ。なんならわたし十万べんでもこのことばをくり返してあげますわ」
「母さん、どうして天使のような振舞いなの?」リーズの声がまた聞こえた。
「僕はあのときの様子を見ているうちに、どうしたわけか」まるでリーズの声など耳にはいらないように、アリョーシャはことばを続けた、「あの
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