カの騒ぎに出会って、いきなり別な考えが彼の心を打った。たった今、ホフラーコワ夫人の言った『破裂』ということばは、あやうく彼を震えあがらせるところであった。つまり、今朝の夜明けごろ、うつらうつらしているうちに、おそらく自分で自分の夢に答えるつもりであったろう、だしぬけに『破裂、破裂』と叫んだからである。彼は夜通し例のカテリーナのところでの恐ろしい場面を夢みていた。カテリーナはイワンを愛しているのに、何かの戯《たわむ》れのために、何かの『破裂』のために、いたずらに自分を欺いて、何やら感謝の念でも現わしたさに、兄ドミトリイを愛しているように見せかけて、わが身を苦しめているのだと、今ホフラーコワ夫人があけすけに、しつこく言ったのを聞いて、アリョーシャは心をうたれたのであった。『そうだ、ことによると、実際にあのことばには、十分の真実が含まれているのかもしれん!』と考えたのである。
 しかし、もしもそうだとしたら、イワンの立場はどうであろう? アリョーシャは一種の本能によって、カテリーナのような性格は、何かを支配せずにはいられない、ところが、彼女に支配できるのは、ドミトリイのような男であって、けっ
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