チャの手から『横取り』するつもりでいるという噂を、ほのめかされていたのであった。ついこのあいだまで、このことはアリョーシャには、ひどく心配ではあったが、しかも実に不思議なことに思えてならなかった。彼は二人とも愛していたので、二人のあいだのこうした競争が恐ろしくてたまらなかった。そうこうしているうちに、昨日ドミトリイが不意に彼に面と向かって、自分はかえってイワンの競争を喜んでいる、そのほうがいろいろな点において自分のために都合がよいと言ったのである。どうして都合がよいと言うのか? グルーシェンカと結婚するためなのか? しかしアリョーシャには、こんなことは自暴自棄な最後の手段としか思えなかった。のみならず、彼はつい昨日の晩まで、てっきりカテリーナ自身も熱情的に、執拗《しつよう》に兄ドミトリイを愛しているものとばかり思いこんでいた(しかし、この信念もただ昨日の夕方までであった)。おまけに、――彼女はドミトリイを愛している、いかにこのような愛が奇怪に見えるとしても、現在のままの兄を愛しているに相違ないという考えが、どういうわけか、絶えず彼の心に浮かんでくるのであった。ところが、昨日グルーシェン
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