煖Cにかかるような風で、鏡をのぞいて自分の鼻を心配そうに眺めるのであった。(おそらく、これでもう今朝から四十ぺんくらいになるかもしれぬ)。それから、また額の赤い布もちょっと体裁よくなおした。
「赤いほうがよろしい。白いのをしていると、病院くさいのでな」と彼は子細ありげに言った、「ところで、おまえのほうはどうだえ? おまえの長老はどんなだ?」
「たいへんお悪いんです、ことによったら、今日は、おかくれになるかもしれません」とアリョーシャは答えた。しかし、父はそれをろくろく聞こうともしなかった。そればかりではなく、自分の発した質問すらもすぐに忘れてしまっていた。
「イワンは出て行ったよ」彼はいきなり言いだした、「あいつは、一生懸命にミーチカの嫁さんを横取りしようとしている。そのためにここに暮らしているんだよ」と彼は恨めしそうに言って、口をゆがめながら、アリョーシャを見つめた。
「いったい、兄さんが自分でそう言ったんですか?」とアリョーシャは聞いた。
「もう、かなり前に言ったことだ。おまえはなんだと思ってたんだ? 三週間も前にそう言ったんだよ。あれはまさか、こっそり、わしを殺そうと思って、ここ
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