チた。そんな場合には、たいてい、相手の者に大きな謎《なぞ》でもかけるようなことばを、何か一つ必ず話のあいだにはさむのであった。そのあとでは、なんと言って頼んでも、けっして説明をしてくれなかった。彼は僧位というものを何も持っていなかった。単に一介の僧侶たるにすぎなかった。これはきわめて無知な人たちのあいだに限っていたが、かなり、奇怪なある噂が伝わっていた、――というのは、フェラポントが天の精霊と交わりを結んで、この精霊だけを話し相手にしているので、そのために、人間に対しては、いつも沈黙を守っているというのであった。
オブドルスクの坊さんは蜜蜂小屋へたどりつくと、蜂飼いに教えられて(これもやはり非常に気むずかしい僧であった)、フェラポントの庵室の立っている一隅をさして進んで行った。『ひょっとしたら、よそから来た人だというので、話をなさるかもしれませんが、またことによったら、何一つ聞き出せないかもしれませんよ』蜂飼いの僧はあらかじめ注意を促した。後になって当人が話したところによると、坊さんは激しい恐れをいだきながら庵室へ近づいたとのことであった。すでに、時刻はかなりに遅くなっていた。フェラ
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