ンがわきあがってくるのを覚えて、ほんとに兄のために救いの道が開けたのかもしれないというような気がした。「だって、あなたはいったい……あの金のことを御存じなんですか?」と言い足したが、急にことばを打ち切った。
「ずっと前から知ってますわ、はっきり知ってますわ。モスクワへ電報で問い合わせて、あのお金の届いていないってことは、とうの昔に知っていますわ。あの人はお金なんか送らなかったのです、けれどわたしは黙っていましたの。あの人に、お金の要《い》ったこと、そして今でも要るってことは先週わたし聞きましたの……それについて、わたし、たった一つ目当てにしていることがあります、それは、あの人が、結局自分は誰の手へ帰ったらいいか、また誰が自分にいちばん忠実な親友かっていうことを、悟ってくれるようにしむけることでございます。ところがあの人は、わたしがそのいちばん忠実な友だちだってことを、信じてくれないのです。わたしというものを見抜こうとはしないで、ただ女として私を眺めているのです。わたしは、あの三千ルーブルの使いこみを、あの人に恥だなどと思わせないようにするには、どうしたらいいのだろうか? と、そのことば
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