スしに伝えるように念を押したのでしたら、きっとあの人は興奮していらしたということになりますわ、もしかしたら、前後を忘却していらしたのかもしれませんわね。きっと、決心はしながらも、自分で自分の決心を恐れていらっしゃるのです! しっかりした確かな足どりでわたしから離れて行ったのではなくって、急な坂を駆け下りたのです。そのことばに力を入れたのは、ただの空威張りだったということにはならないでしょうか……」
「そうですよ、そうですよ!」とアリョーシャは熱心に相づちを打った。「僕自身にも今はそう思われるのです」
「で、もしそうなのでしたら、あの人はまだ滅びてはいません! ただ絶望しているだけですから、わたしはあの人を救うことができます。ね、それはそうと、あの人は何かお金のことを、三千ルーブルのお金のことをあなたにお話ししませんでして?」
「話したどころじゃありませんよ、きっとそのことをいちばんひどく兄は苦に病んでいるのです。兄はもうこうなっては、名誉も何も失ってしまったのだから、どちらにしたって同じことだと言っていました」とアリョーシャは躍起になって叫んだ。そして彼は、自分の心に一縷《いちる》の望
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