ヘ嘘ですよ、来やしませんとも!」
「でも、ミーチカはあれと結婚するつもりなんだよ、結婚する!」
「あの女《ひと》は兄さんといっしょになどなりませんよ」
「ならんとも、ならんとも、ならんとも、けっしてなりはせん!……」この際、これ以上嬉しいことばを聞くことはできないもののように、老人は雀躍《こおど》りせんばかりに喜んだ。彼は歓喜のあまりアリョーシャの手をつかんで、自分の胸へしっかり押しつけるのであった。そのうえ涙さえ眼に輝きだしたほどである。「さっきわしが話した聖母マリヤの御像も、おまえにやるから持って行くがいい、お寺へも帰るがいいぞ……今日言ったことは冗談だから怒るなよ。頭が痛い、アリョーシャ……アリョーシャ、どうかわしの得心がゆくように、ほんとのことを聞かしてくれ!」
「まだ同じことを聞くんですか、あの女が来たんじゃないかって?」とアリョーシャは痛ましそうに言った。
「いいや、いいや、いいや、わしはおまえの言ったことを信じているよ、今度はこうじゃ、おまえが自分でグルーシャのとこへ行くか、それともほかでなんとかして、あれに会ってな、あれがどっちにする気でおるか――わしか、それともあいつ
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