Nか来てくれい!」
 イワン・フョードロヴィッチとアリョーシャがようやく老人に追いついて、むりやり広間へ連れ戻った。
「なんだってあとを追っかけたりするんです! 本当に殺されてしまうじゃありませんか!」と、イワン・フョードロヴィッチは腹立たしげに父をどなりつけた。
「ワーネチカにリョーシェチカ、それじゃあ、グルーシェンカは、ここにおるんじゃぞ、あいつが自分で見たと言いおった、あれが駆けこんだのを見たと……」
 彼は息切れがしてことばをとぎらした。まさかこんなところへグルーシェンカが来ようなどとは思いもかけなかったので、ここへ来ていると意外な知らせを耳にした彼は一時にわれを忘れてしまったのである。彼は心も顛倒《てんとう》したようにぶるぶる震えていた。
「だって、あの女の来なかったことは、御自分でもちゃんと知ってらっしゃるじゃありませんか!」とイワンが叫んだ。
「しかし、あちらの戸口からはいったのかもしれん」
「あちらの戸口には錠《じょう》がおりていますよ、それに自分で鍵を持っていらっしゃるくせに……」
 ドミトリイが突然、またもや広間へ現われた。もちろん、彼は裏口に錠のおりているのを見て
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