ろう、などとおっしゃるわけにはいかないじゃありませんか? そんなことをおっしゃったら、神様がまっかな嘘をおつきになったことになりますからね、いったい天地の支配者たる神様が、たとえひと言でも嘘をおつきになるようなことがあるでしょうかねえ?」
 クリゴリイは立ちすくんだまま、眼をむいて弁舌者を見つめていた。彼には今語られたことがよくはのみこめなかったけれど、それでもこのたわごとのようなことばの中から、何かしらあるものをつかむことができたので、まるで、だしぬけに額を壁にぶっつけた人のような顔をして、じっとその場に突っ立っていた。フョードル・パーヴロヴィッチは杯をぐいと飲みほすと、かん高い声を立てて笑いだした。
「アリョーシャ、アリョーシャ、どんなもんだい? おい驢馬《ろば》、おぬしゃなかなか理屈こきだな! イワン、こいつはおおかたどこかのエズイタ派のところにいたんだぜ、おい、|悪臭い異教徒《スメルジャーシイ・エズイタ》、いったいおまえはどこでそんなことを教わって来たんだ? だが、ごまかし屋、おまえの言ってることは嘘だよ、まっかな嘘だよ、これグリゴリイ、泣くな、今すぐにわしらがこいつの屁理屈を
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