ミーチャ、あなたは不仕合わせな人ですね、ほんとに! でも、まだ兄さんが自分で考えているほどでありませんよ――あまり絶望して、自分を苦しめないほうがよろしいよ!」
「おまえはその三千ルーブルが手に入らなかったら、おれが拳銃自殺でもすると思うのかい? そこなんだよ、おれは自殺なんかしやしない。今はそんな元気がないんだ。そのうちにあるいはやるかもしれないが、今はグルーシェンカのところへ行くんだ……おれの一生なんかどうなったってかまうものか!」
「あの女《ひと》のとこへ行ってどうするんです?」
「あの女の亭主になるんだよ、配偶《つれあい》にしていただくのさ。もし情夫《まぶ》がやって来たら次の間へはずしてやるよ。そして彼女《あいつ》の友だちの上靴も磨いてやろうし、湯沸《サモワール》の火もおこそう、使い走りだっていとやしないよ……」
「カテリーナ・イワーノヴナは何もかもわかってくれますよ」と、不意にアリョーシャは真顔になって、口をいれた。「この悲しい出来事の深い点をすっかり了解して、許してくれますよ。あの人には立派な理性がありますから、兄さん以上に不幸な人のあり得ないことは、あの女《ひと》にだって
前へ
次へ
全844ページ中344ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
ドストエフスキー フィヨードル・ミハイロヴィチ の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング