までいてやる。あいつの家の門番にだってなるさ。ね、おまえ……アリョーシャ……」と彼は不意に弟の前へ立ちはだかって、その肩に両手をかけると、力いっぱいゆすぶった。「おまえのような無邪気な少年にはわからないだろうけれど、これはたわごとだよ、無意味なたわごとなんだよ。しかもそのなかに悲劇があるのだ、いいかい、アレクセイ、おれは卑しい堕落した煩悩《ぼんのう》をいだいた卑劣な人間かもしれないが、しかしドミトリイ・カラマゾフは泥棒や、掏摸《すり》や、掻っ払いには、断じてなり下がるはずがないだろう。ところが、今こそ聞いてくれ、おれは泥棒なんだ、掏摸なんだ、掻っ払いなんだ! ちょうどおれがグルーシェンカをひっぱたきに出かけるすぐ前、その同じ日の朝、カテリーナ・イワーノヴナがおれを呼んで、さしあたり誰にも知らさないように、秘密にして(何のためだかおれにはわからないが、そうする必要があったものとみえる)、これから県庁所在地の市《まち》へ出かけて、モスクワにいるアガーフィヤ・イワーノヴナ当てに、郵便為替で三千ルーブル送って来て欲しいと頼んだのだ。わざわざ県庁所在地からというのは、この町の人に知られたくないた
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