》で、あちらで上演ずみだ。後半は悲劇で、これから当地で演じられようとしているのさ」
「その後半については、これまで少しも僕にわかっていないんです」とアリョーシャが言った。
「じゃあ、おれはどうだい? おれにはわかってるとでも言うのかい?」
「ちょっと待って、兄さん、ここに一つ大切なことばがあるんです。聞かせてください、いったい兄さんは許婚《いいなずけ》なんですか、今でも許婚なんですか?」
「おれが許婚になったのはすぐじゃない、あの事件の後、三月たってからだ。あのことがあったすぐあくる日おれは自分で自分に言って聞かせた――この事件はすっかりこれでおしまいだ、けっして続きなんかないとね、結婚の申しこみに出かけるなんて、卑劣だとおれは思ったのだ。あの女はまたあの女で、その後六週間もその町に滞在していたのに、一言半句の便りもよこさなかったのだ。もっともあとにもさきにもただ一度きり、あの女がおれを訪問した、そのあくる日のことだが、あの家の女中が、こっそりおれのところへ来て、何も言わずに紙包みを一つ置いて行ったのだ。その包みには何々様と当て名が書いてある。あけて見ると、五千ルーブルの手形のつり銭な
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