かまやしない、あとまわしだ。ところがその六千ルーブルを受け取ったころ、おれは突然、ある友だちがよこした手紙から、自分にとってとても興味のある事実を知ったのだ。それはほかでもない、おれたちの中佐が秩序|紊乱《びんらん》の嫌疑で当局の不興を買っているということなんだ。つまり、反対派の陥穽《かんせい》にひっかかったんだよ。で、直接師団長がやって来て、小っぴどく油を絞ったのだ。それからしばらくして、退職願いを出せという命令があったのだ。まあ、その詳しいいきさつをおまえに話すのはやめにするが、実際この人には敵があったのだ。そして急にこの中佐とその家族に対する町の人の態度が、手の裏を返したように冷たくなってしまったのだよ。このとき、おれの最初の悪戯《いたずら》が始まったってわけだ。おれはアガーフィヤ・イワノーヴナとはいつも親しくしていたので、会うとこういってやったのさ。『あなたのお父さんはお上《かみ》の金を四千五百ルーブルなくなされたんですよ』『なんですって? どうしてそんなことをおっしゃるの? 先だって将軍がお見えになったときにはちゃんとそっくりありましたわ』『そのときにあっても今はないんですよ
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