れは、そんなことは誰にも話したり、笑いぐさにしたりなんぞしなかったのだぜ、おれは卑しい欲望をいだいて、卑劣なことを愛するけれども、不名誉なことは嫌いだ。おまえは顔を赤くしたね。眼がきらっと光ったぜ。おまえには、もうこんなきたない話はたくさんだ。でも、これはそれだけの話さ、ポール・ド・コック式のお愛嬌だよ。もっとも、この時分から、残忍な虫けらはもう頭をもたげて、魂の中へのさばり始めてはいたけれど、いや、あのころの思い出で、一冊のアルバムができるくらいだよ。おお神様、あの可愛い娘たちに健康を授けてやってください。おれは別れに際して喧嘩《けんか》するのは嫌いだったよ。そして一度だって裏切ったり、相手の顔に泥を塗ったりはしなかったよ。だが、もうたくさんだ、おまえはよもやおれが、こんなくだらぬ話をするために、わざわざおまえをここへ呼びこんだとは思うまいね? どうしてどうして、もっとおもしろい話を聞かせてやるよ。しかしおれが、おまえに対して恥ずかしげもなく、かえって得意になっているなどと、あきれないでおくれよ」
「兄さんは僕が赤い顔をしたので、そんなことを言うんでしょう」と、急にアリョーシャが聞き
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