いうものはこの地上で、恐ろしくいろんな目にあうものだよ。恐ろしくいろんな不幸な目にさ! どうか、このおれを、コニャクを飲んだり放蕩なまねをするだけの、将校の肩書きを持ったげすだとは思わないでくれ。おれはまるで、このことばかり考えているんだよ。この深い汚れに沈んだ人のことをさ。嘘《うそ》を言っているのでさえなければなあ。いや、おれは今どうか嘘をついたり、空威張《からいば》りをしたりはしたくないものだ。おれがこの人のことを考えるというのも、つまりは自分が同じような人間だからさ。
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汚れのうちよりわが魂《こころ》
救いいだして立たんとし、
昔ながら、母なる土と
とこしえに結び合いにき
[#ここで字下げ終わり]
しかし、ただどうしておれが大地と結び合ったものか、それが問題なんだ。おれは大地に接吻もしなければ、大地の胸を切り裂こうともしない。おれに百姓か牛飼いにでもなれっていうのかい? こうしておれは進んで行きながら、自分が悪臭と汚辱に足を突っこんだのか、それとも光明と歓喜の中へ踏み入ったのか、とんと見当がつかないのだ。こいつがどうもやっかいなんだよ、この世の中のこと
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