てやがて一同はその場を離れて先へ歩を進めた。その後フョードル・パーヴロヴィッチは、自分もそのときみんなといっしょに立ち去ったことを断固として強調したが、はたしてその通りであったか否か、現に誰ひとり確かなことを知っている者もなければ、かつて知っていた者もないのである。しかしそれから五、六か月もすると、リザヴェータが大腹をかかえて歩いているということを、町じゅうの者がひどく憤慨して取りざたし始めた。そしていったい誰が犯した罪なのか、はずかしめを加えたのは何者かと、さまざまに問いただしたり、穿鑿《せんさく》したりした。ところがちょうどそのとき、その凌辱者《りょうじょくしゃ》はほかならぬフョードル・パーヴロヴィッチだという奇怪なうわさが、ぱっと町じゅうに広がった。このうわさはいったいどこから出たものであろう? 例の酔っぱらいの一行のうち、ちょうどその時この町に残っていたのは、たった一人の仲間で、それも家庭を営み、年ごろの娘を幾人も持っているような、相当の年配で分別ざかりの五等官であるから、たとえ何かそこに根拠があったとしても、けっしてそんなことを言い触らすはずがなかった。自余の五人ばかりの仲間
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