「それはまた、どうしたわけかな?」と僧は剽軽《ひょうきん》な驚き方をして問い返した。
「どうしてちゅうて……あれは龍でござりますだ……」とグリゴリイはつぶやいた。
「どうして龍なんで……どんな龍かな?」
 グリゴリイはしばらく押し黙っていた。
「天道様のお手違いができたのでござりますよ……」彼は不明瞭ではあったが、しっかりした声でこうつぶやいた。明らかにそれ以上、口数をききたくない様子であった。
 人々は一笑に付してしまった。そして哀れな赤ん坊の洗礼はいうまでもなくそのままとり行なわれた。グリゴリイは洗礼盤のそばで一心に祈りを捧げたけれど、嬰児《えいじ》に対する自分の意見は変えなかった。それかといって、別段邪魔をするでもなかったが、その病弱な子供の生きていた二週間というもの、ほとんどそれを見向こうともしなかったばかりか、目につくのさえいとって、たいがいは家を明けていたほどである。しかし二週たって、子供が鵞口瘡《がこうそう》のために死んだときには、自分でその子を小さい棺《かん》に納めて、深い憂愁の面もちでじっとそれを眺めていた。そして浅いささやかな、墓穴に土をかぶせた時、彼はひざまずいて
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