イの革張りだった。そればかりか、床にペンキさえ塗ってないほどであった。その代わり、全体が光るほど清楚《せいそ》に磨きあげられて、上には高価な草花もたくさんおいてある。しかし、今この部屋でいちばんみごとなのは、立派な器を並べた食卓だけである。が、それも比較的の話である。とにかく卓布はきれいだし、食器はぴかぴか光っている。じょうずに焼かれたパンが三いろに、葡萄酒《ぶどうしゅ》が二本、修道院でできるすばらしい蜂蜜が二壜《ふたびん》、それに近在でも有名な、修道院製のクワス[#「クワス」に傍点]を入れた大きなガラスの壺《つぼ》などが出ていた。ウオッカは全部出ていなかった。後でラキーチンの話したところによると、このときの食事は五皿調理されていた。蝶鮫《ちょうざめ》の魚汁《ウハー》に魚肉饅頭、何か巧みな特別の料理法によった煮魚、それから※[#「魚+潯のつくり」、第4水準2−93−82]魚《かじき》のかつれつ[#「かつれつ」に傍点]にアイスクリームと果物の甘煮を取り合わせたもの、最後がブラマンジェに似たジェリイであった。ラキーチンは我慢しきれないで、かねて近づきになっている修道院長の勝手口をわざわざの
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