た。
「馬鹿!お前たちはまったく馬鹿だ!兵隊に行きゃ必ず殺されるときまってやしない。だが行かなきゃイワン王に殺されてしまうんだぞ。」
 人民たちはまったく途方にくれてしまいました。そしてイワンの馬鹿のところへ相談に行きました。
「将軍さまが、わしらに兵隊になれとおっしゃる。兵隊になりゃ殺されることがある。しかしならなきゃ、イワン王がわしらをみんな殺される、と言う話ですがほんとですか。」
 イワンは大笑いして言いました。
「さあ、わしにもわからん。わし一人でお前さん方をみんな殺すことは出来ないしな。わしが馬鹿でなかったら、そのわけを話すことも出来るが、馬鹿なんでさっぱりわからんのじゃ。」
「それじゃわしらは兵隊にゃなりません。」
と人民たちはいいました。
「いいとも、いいとも。ならんでいい。」
とイワンは答えました。
 そこで人民たちは、将軍のところへ行って、兵隊になることをことわりました。年よった悪魔はこの企ての駄目なことを見て取りました。そこでイワンの国を出て、タラカン王のところへ行って言いました。
「イワン王と戦をしてあの国を取ってしまってはいかがでしょう。あの国には金はちっともあ
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