好きな髷のことなど
上村松園
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)玉英《ぎょくえい》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)前田|玉英《ぎょくえい》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)花簪など※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2−13−28]した
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茶の袴
私が画学校に行っていた時、学校の古顔に前田|玉英《ぎょくえい》さんがいました。その頃二十二、三ぐらいの年頃だったと思うが、画学校では女の生徒に茶の袴を穿かせることになっていたので、私らも茶の袴を穿き、袴を穿くのだからというので靴を買ってもらったことを覚えています。
束髪
その頃、というと明治二十一年頃、えらい何も彼も西洋が流行《はや》った頃で、束髪がちらほら出かけていました。後ろを円く三ツ組に編んで網をかぶせ、前髪を切って下げるのが最初に流行った型でした。玉英さんはそうした流行《はやり》の風をしていられた。私も束髪を結ったことがあ
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