ところを大いに見せびらかさうといふ魂胆に違ひない。」
「さうよ、さうよ。」と姪も大笑ひしながら、賛成した。
「アヤあ!」と私は大声で呼びかけた。「もう、いい。あぶないから、もう、いい。」
「はい。」とアヤは答へて、するすると崖から降りた。私は、ほつとした。
 帰りは、アヤの取り集めた山菜を、陽子が背負つた。この姪は、もとから、なりも振りも、あまりかまはない子であつた。帰途は、外ヶ浜に於ける「いまだ老いざる健脚家」も、さすがに疲れて、めつきり無口になつてしまつた。山から降りたら、郭公が鳴いてゐる。町はづれの製材所には、材木がおびただしく積まれてゐて、トロツコがたえず右往左往してゐる。ゆたかな里の風景である。
「金木も、しかし、活気を呈して来ました。」と、私はぽつんと言つた。
「さうですか。」お婿さんも、少し疲れたらしい。もの憂さうに、さう言つた。
 私は急にてれて、
「いやあ、僕なんかには、何もわかりやしませんけど、でも、十年前の金木は、かうぢやなかつたやうな気がします。だんだん、さびれて行くばかりの町のやうに見えました。いまのやうぢやなかつた。いまは何か、もりかへしたやうな感じがします
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