《ごろ》の不快の様子を見れば誰だって、一度は疑ってみます。ばからしい。ホレーショー、眼《め》が醒《さ》めましたか?」
 ホレ。「夢のようです。」
 王。「無理もない。わしだって、夢のようです。でも、これは、このまま溜息《ためいき》ついて見ているわけに行きません。それで、ホレーショー、君に一つお願いがあります。君は、ハムレットの親友の筈《はず》ですね。これまで何でも、互いに打ち明けて語り合っていた仲でしたね。」
 ホレ。「はい、きのうまでは、そのつもりで居《お》りましたが、いまは、もう自信がなくなりました。」
 王。「そんなに、しょげて見せる必要はありません。落ちついて考えてみると、そんなに意外な大きい事件でもありません。この二箇月間、故王のお葬《とむら》いやら、わしが位を継いだお祝いやら、また婚儀やらで、城中は、ごったがえしの大騒ぎでした。その混乱の中にハムレットひとりは、故王になくなられた悲しみに堪え得ず、優しい慰めの言葉を或《あ》る人に求めたのです。オフィリヤです。悲しみと恋が倒錯したのだと思います。ハムレットだって、いまは、オフィリヤにどんな気持を抱いているか、それはわかりません
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