ィリヤが、――」
 王妃。「オフィリヤが? そうですか。一度、私も疑ってみた事がありました。」
 王。「まあ、立たずに、ガーツルード、お坐りなさい。坐って落ちついて、ゆっくり考えてみて下さい。ホレーショー、お聞きのとおり、面目次第も無い事です。」
 ホレ。「そうでしたか。やっぱり張本人がいたのですね。オフィリヤといえば、ポローニヤスどのの娘さんですね。あんな美しい顔をしていながら、この平和なハムレット王家に対して、根も葉も無い不埒《ふらち》の中傷を捏造《ねつぞう》し、デンマーク一国はおろか、ウイッタンバーグの大学まで噂《うわさ》を撒《ま》きちらすとは、油断のならぬものですね。で、原因は何でしょう。やはり、かなわぬ恋の恨みとか、または、――」
 王妃。「ホレーショー、あなたは、やはり、おさがり下さい。何もわかってやしません。夢のような事ばかり言っています。オフィリヤは、妊娠したというのです。」
 王。「王妃! つつしみなさい。わしは、まだ、そこまでは言っていません。男として、言いにくい事でした。はっきり言うのは残酷です。」
 王妃。「女は、女のからだには敏感です。オフィリヤの此《こ》の頃
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