よ。ハムレットさまひとりが、計略だの曲者だの、駈引《かけひ》きだのとおっしゃって、いかにも周囲に、悪い人ばかりうようよいるような事をおっしゃって、たいへん緊張して居られますが、滑稽《こっけい》だわ。ごめんなさい。だって、あなたは、敵もいないのに敵の影を御自分の空想でこしらえて、油断がならん、うっかりするとだまされる等と、深刻がっていらっしゃるのですもの。王さまだって、王妃さまだって、とってもハムレットさまを愛していらっしゃるのに、どうして、おわかりにならないのでしょう。悪いお方なんか、どこにもいないわ。ハムレットさま。あなただけが、悪いお方なのかも知れないわ。だって、みんな平和に、なごやかにお暮しなさっているところへ、あなたが、むずかしい理窟《りくつ》をおっしゃって、みなさんを攻撃して、くるしめて、そうしてこの世の中で、あなたの愛情だけが純粋で献身的で、――」
 ハム。「オフィリヤ、ちょっと待った。めそめそ泣かれるのも困るが、そんな自信ありげな気焔《きえん》を、調子づいてあげられても閉口だ。オフィリヤ、君は、きょう、どうかしてるぞ。君には、ちっともわかっていない。そうかなあ。いままで、
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