うですし、何にしても合点のゆかぬ事ですね。」
王。「ガーツルード。芝居の通人《つうじん》は、そんなわかり切った事は言わぬものです。さあ、皆もお坐り。うむ、なかなか舞台もよく出来た。ポローニヤスの装置ですか。意外にも器用ですね。人は、それでも、どこかに取柄《とりえ》があるものだ。」
ポロ。「たしかに。いまに、もっと器用なところを御覧にいれます。さて、それでは、ハムレットさま、舞台へあがりましょう。ホレーショーどのも、どうぞ。」
ハム。「アルプスの山よりも、高いような気がする。断頭台に、のぼるか、よいしょ。」
ホレ。「初演の時は、どなたでも舞台が高くて目まいがします。僕は、三度目だから大丈夫。あ! 足が滑った。」
ポロ。「ホレーショーどの、気を附けて下さい。空箱《あきばこ》を寄せ集めて作ったのですから、でこぼこがあるのです。では、皆さま。わたしたち三人、これこそは正義の劇団。こよいは、イギリスの或《あ》る女流作家の傑作、『迎え火』という劇詩を演出して御覧にいれまする。不馴《ふな》れの老爺《ろうや》もまじっている劇団ゆえ、むさくるしいところもございましょうが御海容《ごかいよう》のほ
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