ほうで、顔負けしますよ。ポローニヤス、あなたは錯乱しています。いいとしをして、みっともない。落ちつきなさい。あなたは、いったい、あのばかな噂を本気に信じているのですか? 嘘でしょう? なんだか、底に魂胆がありそうですね。」
 ポロ。「情無い事を、おっしゃる。ハムレットさま、あなたは、可哀想《かわいそう》なお子です。なんにも御存じないのです。」
 ホレ。「ああ、いけない。ポローニヤスどの、もう、およし下さい。王さまは、いいお方です。ハムレットさまだって、心の底では王さまを、お慕い申しているのですよ。いまさら、そんな、薄気味わるい事は、おっしゃらないで下さい。いけない、いけない、ああ、僕は、また寒くなって来ました。震える。全身が、震える。」
 ハム。「ポローニヤス、重大な事ですよ。浮薄な言動は、つつしみなさい。たしかに、信ずべき節《ふし》が、あるのですか?」
 ポロ。「残念ながら、――ございます。」
 ハム。「ははん、ホレーショー、僕たちが冗談に疑って遊んでいたら、それが、本当だってさ。なんて事だい。馬鹿笑いが出るよ。」

   六 庭園

 王妃。オフィリヤ。

 王妃。「あたたかになり
前へ 次へ
全200ページ中108ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
太宰 治 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング