「そんなのばかげきった話だわ」と、言い放ちました。
「ばかげた話だ! ばからしい話だわ!」と草木はてんでにがやがや言い出して、アッタレーアの提案なんぞ愚にもつかない寝言だということを、われがちに証明しようとかかるのでした。――「とんでもない空想だ!」と草木は叫ぶのでした、「ばかばかしい! 夢みたいな話だ! 鉄わくはがんじょうなんだ。あれをこわそうなんて、とてもできるもんじゃない。それにまたこわせたところでいったい何になる? 人間たちがはさみやおのを持ってやって来て、枝をちょん切ってしまうだろう。わくの破れ目はふさいでしまって、また元のもくあみになっちまうだろう。いや、せっかくちゃんとついている手足を、むざむざちょん切られるだけ損だよ……。」
「じゃ、好きになさるがいいわ!」とアッタレーアは答えました、「こうなったらもう、私にも覚悟があります。あなたがたにはまあかまわずそっとして置きましょうよ。どうなりと好きに暮らしなさるがいいわ。愚痴をこぼし合ったり、水のくれ方が多いとか少ないとかでけんかをしたり、まあいつまでもそうしてこのガラスぶたの下に居残ってなさるがいいわ。私はたとい一人でも
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