しています。そうして、そういう恰好《かっこう》をしているので、なんだか素晴《すば》らしくみえます。ベルナールとロジェとジャックとマルセルは、それを追《お》いかけはじめます。エチエンヌのことも、真黄色《まっきいろ》な綺麗《きれい》な道のことも忘れてしまいます。お母《かあ》さんとのお約束《やくそく》も忘《わす》れてしまいます。もう四人は草原《くさはら》の中へはいっています。しばらくすると、草が深《ふか》く茂《しげ》っている柔《やわら》かい地面《じめん》に、足がめり込《こ》んでいくのがわかります。もう少し行くと、膝《ひざ》のところまで泥《どろ》の中にはまり込《こ》みます。草で見えなかったのですが、そこは沼になっていたのです。
四人は、やっとこさでそこから足をひきぬきました。靴《くつ》も、靴下《くつした》も、腓《ふくらはぎ》も真黒《まっくろ》です。緑の草原《くさはら》の精《せい》が、いいつけを守《まも》らない四人の者に、こんな泥《どろ》のゲートルをはかせたのです。
エチエンヌはすっかり息《いき》を切らして四人に追《お》いつきます。四人がそんなゲートルをはかされているのを見ると、喜《よろこ》
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