しられながら喘いでゐた。
そこへ猿みたいな赤ん坊が生れた。
毎年、續けさまに生れた。
然し私の可愛い乳兄弟達は、新月のやうな薄眼をして崇高な寢息をたてながら、巴旦杏のやうに成熟していつた。
寒い晩、私は子供達と、穴の中の藁苞に貯えてある銀杏の實を出して、爐の縁で燒いて食べた。父は何時でも厚ぼつたい唇を開けて默りこくつてゐる。
狹い家の中で鬱してくると、私は直ぐ下の男の兒をいぢめた。
「姉こう! さあ、やつてこい姉こう。」
彼はむきになつて攻勢をとる。
私は彼が男の兒であるのと、自分が彼よりも年嵩なのを好い事にして、徹底的に征服しやうと試みる。小さい子供達も一齊に暴れ出す。小さい家の中で子供等は益々狂暴になつて、楊子削りのナイフを振り廻して私に迫つてくる。私は芳ばしい楊子の樹を噛みながら惡口をいつて逃げ出す。
若い父はいつの間にか野良へ出てゆかなくなつた。行商を始めて見たのだつた。
雨が降つて毎日父が家にゐる時は、入口の土間に桐油を被た、玩具や雜貨の荷が、生活の殘骸のやうに骨ばつて積んであつた。
それからまた父は行商を止めて、すてきに好い事を始めた。子供達にも好い
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