み》といっしょに二|匹《ひき》の牝馬《めうま》を連《つ》れて来《き》ました。
「いったい馬《うま》なんぞを連《つ》れて来《き》てどうするつもりだろう。」とびくびくしながら、殿様《とのさま》が手紙《てがみ》をあけてごらんになりますと、二|匹《ひき》の馬《うま》の親子《おやこ》を見分《みわ》けてもらいたい。それができなければ、信濃国《しなののくに》を攻《せ》めほろぼしてしまうと書《か》いてありました。殿様《とのさま》はまた、連《つ》れて来《き》た二|匹《ひき》の馬《うま》をごらんになりますと、大《おお》きさから毛色《けいろ》まで、瓜《うり》二つといってもいいほどよく似《に》た馬《うま》で、同《おな》じような元気《げんき》ではねていました。殿様《とのさま》はお困《こま》りになって、また家来《けらい》たちに御相談《ごそうだん》をなさいました。それでもだめなので、また国中《くにじゅう》におふれを回《まわ》しまして、
「だれか馬《うま》の親子《おやこ》を見分《みわ》けることを知《し》っているか。うまく見分《みわ》けたものには望《のぞ》みの褒美《ほうび》をやる。」
と告《つ》げしらせました。
ま
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