ぶら下がっていました。王女に結婚を申し込んで、もちだしたなぞをいいあてることができなかった人たちです。風がふくたんびに、死人の骨がからから鳴りました。それを、小鳥たちもこわがって、この遊園《ゆうえん》には寄りつきません。花という花は、人間の骨にいわいつけてありました。植木ばちには、人間のしゃりッ骨が、うらめしそうに歯をむきだしていました。まったく、これが王さまのお姫さまの遊園とはうけとれない、ふうがわりのものでした。
「ほらね、このとおりだ。」お年よりの王さまは、おっしゃいました。「いずれおまえも、ここにならんでいる人たちとそっくりおなじ身の上になるのだから、これだけはどうかやめておくれ。わたしになさけないおもいをさせないでおくれ。わしは心ぐるしくてならないのだからな。」
ヨハンネスは、この心のいいお年よりの王さまのお手にせっぷんしました。そうして、わたくしはうつくしいお姫さまを心のそこからしたっています。きっと、うまくいくつもりですといいました。
そういっているとき、当のお姫さまが、侍女《じじょ》たちのこらず引きつれて、馬にのったまま、お城の中庭へのり込んで来ました。そこで、王さ
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