旅なかま
REJSEKAMMERATEN
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen
楠山正雄訳

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)棺《かん》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)十字|架《か》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#挿絵(fig42382_01.png)入る]
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[#挿絵(fig42382_01.png)入る]
 かわいそうなヨハンネスは、おとうさんがひどくわずらって、きょうあすも知れないほどでしたから、もうかなしみのなかにしずみきっていました。せまいへやのなかには、ふたりのほかに人もいません。テーブルの上のランプは、いまにも消えそうにまばたきしていて、よるももうだいぶふけていました。
「ヨハンネスや、おまえはいいむすこだった。」と、病人のおとうさんはいいました。「だから、世の中へでても、神さまがきっと、なにかをよくしてくださるよ。」
 そういって、やさしい目でじっとみながら、ふかいため息をひとつつくと、それなり息をひきとりました。それはまるでねむ
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