夢殿
楠山正雄
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)日本《にほん》の国《くに》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)三十一|代《だい》
[#]:入力者注 主に外字の注記や傍点の位置の指定
(例)[#ここから4字下げ]
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一
むかし日本《にほん》の国《くに》に、はじめて仏《ほとけ》さまのお教《おし》えが、外国《がいこく》から伝《つた》わって来《き》た時分《じぶん》のお話《はなし》でございます。
第《だい》三十一|代《だい》の天子《てんし》さまを用明天皇《ようめいてんのう》と申《もう》し上《あ》げました。この天皇《てんのう》がまだ皇太子《こうたいし》でおいでになった時分《じぶん》、お妃《きさき》の穴太部《あなとべ》の真人《まひと》の皇女《おうじょ》という方《かた》が、ある晩《ばん》御覧《ごらん》になったお夢《ゆめ》に、体《からだ》じゅうからきらきら金色《こんじき》の光《ひかり》を放《はな》って、なんともいえない貴《とうと》い様子《ようす》をした坊《ぼう》さんが現《あらわ》れて、お妃《きさき》に向《む》かい、
「わたしは人間
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