間《にんげん》を刺《さ》しません。刺《さ》せば針《はり》が折《お》れて、命《いのち》がなくなるのです。
ひらめ
むかし、いじの悪《わる》い娘《むすめ》がありました。ほんとうのおかあさんは亡《な》くなって、今《いま》のは後《あと》から来《き》たおかあさんでした。それで何《なに》かいけないことをして、おかあさんにしかられると、おかあさんが自分《じぶん》をにくらしがってしかるのだと思《おも》って、いつもうらめしそうに、おかあさんをにらみつけていました。
ところがあんまりおかあさんをにらみつけていたものですから、いつの間《ま》にか目がだんだんうしろに引《ひ》っ込《こ》んで、とうとう背中《せなか》の方《ほう》に回《まわ》ってしまいました。そして娘《むすめ》はひらめというお魚《さかな》になってしまいました。
そういえばなるほど、ひらめというお魚《さかな》は、目が背中《せなか》についています。ですから今《いま》でも、親《おや》をにらめると、平目《ひらめ》になるといっているのです。
ほととぎす
むかし、二人《ふたり》のきょうだいがありました。弟《おとうと》の方《ほう
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