ろ》がある。悪《わる》い鬼《おに》どもが、いかめしいくろがねのお城《しろ》の中に住《す》んで、ほうぼうの国《くに》からかすめ取《と》った貴《とうと》い宝物《たからもの》を守《まも》っている。」
と言《い》いました。
桃太郎《ももたろう》はこの話《はなし》をきくと、その鬼《おに》が島《しま》へ行ってみたくって、もう居《い》ても立《た》ってもいられなくなりました。そこでうちへ帰《かえ》るとさっそく、おじいさんの前《まえ》へ出て、
「どうぞ、わたくしにしばらくおひまを下《くだ》さい。」
と言《い》いました。
おじいさんはびっくりして、
「お前《まえ》どこへ行くのだ。」
と聞《き》きました。
「鬼《おに》が島《しま》へ鬼《おに》せいばつに行こうと思《おも》います。」
と桃太郎《ももたろう》はこたえました。
「ほう、それはいさましいことだ。じゃあ行っておいで。」
とおじいさんは言《い》いました。
「まあ、そんな遠方《えんぽう》へ行くのでは、さぞおなかがおすきだろう。よしよし、おべんとうをこしらえて上《あ》げましょう。」
とおばあさんも言《い》いました。
そこで、おじいさんとおば
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