うぎゅう、ぎゅうぎゅう、押《お》さえつけました。
鬼《おに》の大将《たいしょう》は、桃太郎《ももたろう》の大力《だいりき》で首《くび》をしめられて、もう苦《くる》しくってたまりませんから、大《おお》つぶの涙《なみだ》をぼろぼろこぼしながら、
「降参《こうさん》します、降参《こうさん》します。命《いのち》だけはお助《たす》け下《くだ》さい。その代《か》わりに宝物《たからもの》をのこらずさし上《あ》げます。」
こう言《い》って、ゆるしてもらいました。
鬼《おに》の大将《たいしょう》は約束《やくそく》のとおり、お城《しろ》から、かくれみのに、かくれ笠《がさ》、うちでの小《こ》づちに如意宝珠《にょいほうじゅ》、そのほかさんごだの、たいまいだの、るりだの、世界《せかい》でいちばん貴《とうと》い宝物《たからもの》を山のように車《くるま》に積《つ》んで出《だ》しました。
桃太郎《ももたろう》はたくさんの宝物《たからもの》をのこらず積《つ》んで、三にんの家来《けらい》といっしょに、また船《ふね》に乗《の》りました。帰《かえ》りは行きよりもまた一そう船《ふね》の走《はし》るのが速《はや》くって、
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