ろう》の主従《しゅじゅう》が、いさましくお城《しろ》の中に攻《せ》め込《こ》んでいきますと、鬼《おに》の大将《たいしょう》も大《おお》ぜいの家来《けらい》を引《ひ》き連《つ》れて、一人一人《ひとりひとり》、太《ふと》い鉄《てつ》の棒《ぼう》をふりまわしながら、「おう、おう。」とさけんで、向《む》かってきました。
けれども、体《からだ》が大きいばっかりで、いくじのない鬼《おに》どもは、さんざんきじに目をつつかれた上に、こんどは犬《いぬ》に向《む》こうずねをくいつかれたといっては、痛《いた》い、痛《いた》いと逃《に》げまわり、猿《さる》に顔《かお》を引《ひ》っかかれたといっては、おいおい泣《な》き出《だ》して、鉄《てつ》の棒《ぼう》も何《なに》もほうり出《だ》して、降参《こうさん》してしまいました。
おしまいまでがまんして、たたかっていた鬼《おに》の大将《たいしょう》も、とうとう桃太郎《ももたろう》に組《く》みふせられてしまいました。桃太郎《ももたろう》は大きな鬼《おに》の背中《せなか》に、馬乗《うまの》りにまたがって、
「どうだ、これでも降参《こうさん》しないか。」
といって、ぎゅ
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