「やはり、短《みじか》い名前《なまえ》の子は運《うん》が悪《わる》いというのは、ほんとうだ。」と思《おも》っていました。
それから二三|日《にち》たって後《のち》、子供《こども》たちはまた裏《うら》で遊《あそ》んでいました。
ちょんさんの弟《おとうと》は、「ちょんさんの落《お》ちたのは名前《なまえ》が短《みじか》くって、運《うん》が悪《わる》いからだ。おれなんかどんなことをしたって落《お》ちやしない。」といばりかえって、わざと井戸側《いどがわ》にぶら下《さ》がったり、つるべを引《ひ》っぱったりしているうちに、はずみでぽかんと井戸《いど》の中へ落《お》ちてしまいました。大ぜいのお友達《ともだち》はびっくりして、ちょんさんのうちへ駆《か》けつけて、
「大へんです。今《いま》、ちょうにん、ちょうにん、ちょうじゅうろう、まんまる入道《にゅうどう》、ひら入道《にゅうどう》、せいたか入道《にゅうどう》、へいがのこ、いっちょうぎりの、ちょうぎりの、ちょうのちょうのちょうぎりの、あの山の、この山の、そのまた向《む》こうのあの山|越《こ》えて、この山|越《こ》えて、桜《さくら》が咲《さ》いて、お山の
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