こ》に庄助《しょうすけ》。」
という、すてきもない長《なが》い名前《なまえ》をつけました。
二
兄弟《きょうだい》はだんだん大きくなって、よくけんかをしました。すると弟《おとうと》はにいさんにさんざん悪《わる》いいたずらをしては、逃《に》げて行《い》って、遠《とお》くの方《ほう》でまだからかっていました。
「ちょんきな、ちょんきな、ちょんちょん、きなきな。」
こういわれると、ちょんさんはくやしがって、負《ま》けずに弟《おとうと》の名前《なまえ》を呼《よ》んで、からかい返《かえ》してやろうとしましたが、
「ちょうにん、ちょうにん、ちょうじゅうろう、まんまる入道《にゅうどう》、ひら入道《にゅうどう》、せいたか入道《にゅうどう》、へいがのこ、いっちょうぎりの、ちょうぎりの。」
と早口《はやくち》にやっているうちに、舌《した》がもつれて、かんしゃくばかり起《お》こってきました。その間《ま》に弟《おとうと》の方《ほう》はどこかへ逃《に》げて行ってしまいました。
ちょんさんのおとうさんはまた、ちょんさん、ちょんさんと、にいさんの方《ほう》が名前《なまえ》が呼《よ》びいいので
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