のおとうさんが、二|度《ど》めのおかあさんをもらいました。間《ま》もなくこのおかあさんにも子供《こども》が生《う》まれて、ちょんきりのちょんさんにも弟《おとうと》が出来《でき》ました。するとある人がおかあさんに、子供《こども》に短《みじか》い名前《なまえ》をつけると、その子の命《いのち》は短《みじか》いし、長《なが》い名前《なまえ》をつけるほど、その子の寿命《じゅみょう》は長《なが》いものだといって聞《き》かせました。そこでおかあさんは、かわいい子に、せいぜい長《なが》い名前《なまえ》をつけてやりたいと考《かんが》えて、とうとうつけもつけたり、
「ちょうにん、ちょうにん、ちょうじゅうろう、まんまる入道《にゅうどう》、ひら入道《にゅうどう》、せいたか入道《にゅうどう》、へいがのこ、いっちょうぎりの、ちょうぎりの、ちょうのちょうのちょうぎりの、あの山の、この山の、そのまた向《む》こうのあの山|越《こ》えて、この山|越《こ》えて、桜《さくら》は咲《さ》いたか、まだ咲《さ》かぬ、花《はな》より団子《だんご》でお茶《ちゃ》上《あ》がれ、お茶《ちゃ》がすんだら三|遍《べん》回《まわ》って煙草《たば
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