と思《おも》うと、生《い》きたそらはないので、真《ま》っ青《さお》な顔《かお》をして、ぶるぶるふるえていました。するとさっきの鬼《おに》の坊《ぼう》さんは、また戻《もど》って来《き》て、こんどは二ばんめの坊《ぼう》さんを庭《にわ》に引《ひ》き下《お》ろして、同《おな》じようにむちで百たびぶちますと、これも馬《うま》になって、「ひひん。」といななきながら四《よ》つ足《あし》で立《た》ちました。その時《とき》鬼《おに》の坊《ぼう》さんはむちをほうり出《だ》して、
「ああ、くたびれた。少《すこ》し休《やす》もう。」
といって、汗《あせ》をふきますと、あるじの坊《ぼう》さんも、
「どれ、飯《めし》を食《た》べて来《く》るかな。」
といって、立《た》ち上《あ》がりました。そして行きがけに、もう一人《ひとり》残《のこ》ってふるえている坊《ぼう》さんをこわい目でにらめつけて、
「そこにじっとしていろ。すぐに戻《もど》って来《く》るから。」
といって、もう一人《ひとり》の鬼《おに》の坊《ぼう》さんと奥《おく》へ入《はい》っていきました。
二
その後《あと》で坊《ぼう》さんは、心《
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